専門診療のご案内

内分泌疾患(ホルモンの病気)

院長は内分泌疾患の経験が深く、その経験を活かした診療をおこなっています。

当院では当地域を中心に難病指定の患者さんも含め診療しています。

生涯対応しないといけない病気も多く、成人期のフォローも含め対応しています。

小児慢性特定疾患および難病疾患の認定施設であり、医療費補助のサポートも充実しています。

1.低身長の検査と成長ホルモン治療について

成長ホルモン治療や成長ホルモン分泌負荷試験などの精密検査に対応しています。

負荷試験は入院せず午前中の外来診療中だけで終了します。専用個室を用意しています。

診断確定のためには2回の負荷試験が必要です。検査スケジュールは随時相談に乗っています。

受診の際は母子手帳や発育の記録を持参してください。

リンク先から身長についての受診目安の判断ができます → www.nordicare.jp

小学校高学年以上の相談は思春期の発来の有無で対応が大きく変わりますので、専門とする医師の診察が必要です。

低身長の相談をされる方で実際に成長ホルモン注射が保険適応で可能になる方が少ないことを知っておいてください。

院長はこれまでに100人以上の成長ホルモン自己注射の患者さんの治療に携わってきました。現在も当院では20人近くの患者さんが治療を受けています。恐らく三重県下では総合病院を含めてもこれだけの患者さんのお手伝いをしている施設は非常に限られていると考えられます。この経験を活かして注射導入前にはマンツーマンでの練習を行い、患者さんが安心して治療を受けられるようにサポートしています。

2.甲状腺疾患

先天性の病気と後天性の病気、機能低下症と機能亢進症に大きく分かれます。

クレチン症、バセドウ病、橋本病が有名ですが、全てに対応しています。

多くは内服治療が一般的ですが、一部手術や放射線治療が必要な病気(=バセドウ病)もあります。

3.思春期早発症

原因は体質的なものが多く、女児に多いですが、脳の病気が関連している場合もあり注意が必要です。

以下の場合は受診してください。それ以上の年齢でも相談には乗ります。

★男の子
9歳までに睾丸が大きくなる(専門の医師の診察でないと判断が困難)
10歳までに陰毛が生える
11歳までにわき毛、ひげが生えたり、声変わりがみられる

☆女の子
7歳6ヶ月までに胸がふくらみはじめる
8歳までに陰毛、わき毛が生える
10歳6ヶ月までに生理が来る

治療が必要かは診察や検査結果、そして本人を含めたご家族のお考えも踏まえて決定します(保険適応になるかも関連します)。

治療は主に月1回思春期の進みを止める注射薬を皮下注射で行います。副作用はほとんどありません。

4.体質性低身長症

成長ホルモンをはじめとした精密検査で異常が見つからない低身長の患者さんは少なくありません。

このような患者さんに保険診療でできることは限られています。

当院では主に自費診療になってしまいますが、特に思春期に入ったお子さんを中心にそのような方へのフォローも行っています。

ひとつは思春期早発症ではないものの、思ったより背が低いのに思春期が来てしまって背の伸びが早く止まってしまう方に思春期早発症に準じた治療を行っています。病気としての思春期早発症の場合(上記3.にある項目を満たす方)は保険診療となりますが、この場合は保険が使えませんので自費診療になります。

患者さんによっては負荷試験などで条件が満たされなかった方で成長ホルモン治療を自費診療で行っているケースもあります。

他にはプリモボランという蛋白同化ホルモンを投与することで最終身長を3〜5cm伸ばせるという研究結果が出ているので、思春期男児に限りますが自費診療で内服治療を行っています。かつて成長ホルモン剤が発売される前はこの薬で保険診療としての低身長の治療が行われていたと聞いています。こちらは注射薬に比べると安価です。

また、低年齢の方でいえば、ちょっと体質が弱くて少食で背が低めの方に漢方薬を投与することで改善することがあるのでそういった治療にも取り組んでいます。これは保険が効く診療です。ご相談ください。

低身長診療は成長ホルモン治療の対象にならない方に関してはやれることが非常に限られています。それを逆手に取って怪しげなサプリメントを勧められたりすることも聞きますがまず効果はありません。また、同じ成長ホルモン治療でも、病気と診断されて治療を行う方とそうでない方で同じ治療のやり方をしていては良い効果は期待できません。まずは低身長を専門とする医師としっかり相談されることをおすすめします。成長に関する自費診療の価格については、どの治療が適しているかを医師が判断してご案内させていただいています。多くの薬剤が高額であるため決して安い価格を提示できるものではありません。その患者さんにとってよりよい治療の提案はいたしますが、費用面の面とのバランスを考えて決定していただいています。治療を強要するようなことはしませんのでご安心ください。

夜尿症

受診の目安は、(1)小学校3年生以上で週複数回夜尿がある方、(2)小学校1年生以上で毎日夜尿がある方、(3)幼児は便のおもらしがある方ですが、わからない場合はご相談ください。

ホルモン剤(尿を濃くして尿量を減らす薬)、三環系抗うつ薬、抗コリン薬を中心とした薬物療法と、生活指導による治療を行っています。

中学生以上でも治療が必要な方も珍しくありませんので、恥ずかしがらずにご相談ください。

アレルギー疾患

1.気管支喘息

内服薬や吸入薬の定期治療による発作予防を中心とした発作予防を主体に慢性的な管理を行っています。

基本的には普段の定期治療を継続することで急性の発作を起こさないことを目標としています。

もちろん急性の発作も対応可能です。近年は上記の予防治療により喘息発作で入院に至ることは減少していますが、患者さんの安全を優先して治療方針を決定しています。

2.食物アレルギー

アレルギー検査の数値のみで厳格な除去食を強いることはできるだけ避けています。

少量でも摂取できるならばそれを進めていく方法を相談しながら決定しています。

病状をみながら、院内で経口負荷試験を行い、今後の除去解除に向けての計画も行っています。当院は食物アレルギー経口負荷試験実施施設の申請認定を受けており、検査中に強いアレルギー症状が出た場合に即座に対応できる体制を整えています。

重症の食物アレルギーで日常生活で緊急性を要する症状を起こす可能性がある患者さんにはエピペン®という自己注射剤を日頃から持っていただいて万一の場合に即座に対応できるようご指導させていただいています。

3.アトピー性皮膚炎

塗り薬の適切な塗り方を説明するよう心掛けています。薬の強さも肌の状態に合わせて選ぶように努めています。基本は薄く塗りすぎないこと(しっかり塗ること)、本人の肌の状態に合った強さの薬を選ぶことです。

また、多くの患者さんはステロイド外用薬と保湿剤を組み合わせた治療を行っていますが、ステロイド外用が今後も長期に渡って予想される患者さんには最近増えてきたステロイド以外のアトピー性皮膚炎用の塗り薬を使うこともあります。

近年ではアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関連性が強く指摘されています。アトピー性皮膚炎の治療だけであれば小児科以外でも対応可能ですが、食物アレルギーが絡む場合は小児科以外では対応が難しくなります。特に乳児の方は関係することが多いので、受診先を迷われる場合は小児科への受診をお勧めします。

4.花粉症・アレルギー性鼻炎(舌下免疫療法含む)

従来からの治療の抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)や点鼻ステロイドの治療から開始する患者さんが多いです。アレルギー検査を行い、どの抗原に反応しているかを確認させていただきながら治療を行っています。

また、当院は5歳以上の患者さんへのアレルゲン免疫療法(スギおよびダニ)の投薬が可能な施設となっております。実施にあたっては他の条件もありますので、ご関心のある方はお気軽にご相談ください。内服をしっかり続けてくれれば多くの方によい効果をもたらしてくれるはずです。

当院では、スギ花粉症では「シダキュア®」、ダニアレルギー性鼻炎には「ミティキュア®」という薬で舌下免疫療法を行っております。基本的には最低3年間の継続投与が必要です。最近は5年投与のほうが望ましいというデータも出ています。

ご相談に来られた際はパンフレットを活用して説明しています。また、下記ホームページ(シダキュア・ミティキュアを製造している鳥居薬品社のサイトです)からも概要を知ることができますのでご参照ください。

https://www.torii-alg.jp

舌下免疫療法は当院で導入してから数年経ちましたが、当院での治療成績および各所での治療成績を踏まえるとおおよそ8割の方に効果が出ると思われます。その8割の方でも差はありますし、3年間の治療で終えられる方もいれば、それ以上の治療が望ましいと思われる患者さんに分かれることがわかってきました。治療を開始してからも漠然と治療を続けるのではなく、効果を見極めながらどのように将来を見据えていくか相談していくようにしています。

検診における異常(心電図・尿検査)

1.心電図異常

日本における学校心臓検診システムは世界でも類をみないシステムであり、心臓疾患の早期発見による突然死の予防に大きく役立っています。学校検診で異常を指摘されて、当院のような診療所を受診される方の大半は経過観察のみで大丈夫な方です。ですが、その病気が進行していくかどうかなどを経過を追っていくことは非常に重要であり、その状況の判定によって安心して日常生活を過ごしていただけるようにサポートしています。

当院では心電図機器のみならず、超音波検査(心臓エコー)なども利用して患者さんの状況をより詳細に把握するように努めています。また、その結果に応じて適切な対応(経過観察から、総合病院での精査依頼までさまざまです)を判断しています。

なお、多くの方が経過観察として次年度以降の受診をお願いしています。病状の進行がないかの確認は非常に重要です。また、学校に提出する意見書に関しては保険外の書類になりますので、ご負担のほどをお願いしていますのでよろしくお願いします。

2.尿検査異常

尿検査異常は3歳児健診をはじめ、幼稚園・保育園・小学校・中学校の定期検診などさまざまな場面でみつかることがあります。判定項目は主に「尿タンパク」「尿潜血」「尿糖」の3つです。

「尿タンパク」「尿潜血」は主におしっこを作る腎臓の異常を疑うものです。ですが、どちらか単独だけの異常の場合は経過観察のみで済むことが多いです。一方で両方とも異常が見られる場合は自覚症状がなくともより精密な検査が必要になることがあります。当院では尿検査のみならず血液検査なども合わせて経過を追うことにより、適切な対応を取れるようフォローしています。

一方で、「尿糖」が出る場合は糖尿病の存在を疑います。